ひな祭りは、女の子の健やかな成長を祝う大切な年中行事です。 しかし、いざ自分の子どもを迎える立場になると、プレゼントや雛人形の「誰が用意するのか」「費用は誰が負担するのか」といった問題で、義実家との間に気まずさやモヤモヤが生まれがちです。
「ありがたいけど、ちょっと重い」「毎年のことだから、うやむやにしたくない」── そう悩む方に向けて、この記事では義実家・夫婦・実家それぞれの立場を整理しつつ、トラブルにならない断り方や現実的な落としどころまで、体験ベースで丁寧に解説します。
感謝は伝えつつ、自分たちのスタイルも守る。 そんな“ちょうどいい距離感”を見つけたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
コンテンツ
義実家のひな祭り、プレゼントの負担は誰がする?
なぜ「ひな祭り」がプレゼントや負担問題に発展するのか
ひな祭りは、女の子の健やかな成長を願う伝統行事です。もともとは家庭内で祝うささやかな年中行事のひとつでしたが、近年では「初節句」において特別なプレゼントやひな人形の購入が話題になり、贈り物やお祝いのスタイルが複雑化しています。
特に問題になりやすいのが、「義実家との金銭的な負担の線引き」です。祖父母からの雛人形の贈呈は習慣的に定着している家庭もある一方で、現代では「誰が費用を出すのか」「お返しは必要か」など、細かい部分で摩擦が生じがちです。
そのうえ、義実家側との関係性によっては「断りづらい」「好意に甘えていいか分からない」といった心理的な負担も加わり、ひな祭りそのものがプレッシャーになってしまうこともあるのです。
「義実家がすべて用意」は嬉しい?プレッシャー?
義実家がひな人形やプレゼントを一式揃えてくれるケースは、外から見れば恵まれた環境に映るかもしれません。しかし当の本人、特に嫁側にとっては複雑な感情が湧くことも多いです。
「ありがたいけど、お返しどうしよう…」「選んだ人形のデザインが好みじゃない」「今後も毎年、行事ごとに口出しされるのでは?」など、表には出せないモヤモヤが積み重なっていきます。
義実家の善意を断るのは難しく、結果的に「従うしかない」という状況に追い込まれる人も少なくありません。とくに、初孫や長女など、祖父母が力を入れたがるパターンでは、意見を通す余地がないまま話が進むことも。
費用を「こちらが全額負担」する場合のモヤモヤ
一方で、「すべて自分たちで用意するから義実家は関与しないでほしい」という考え方を持つ夫婦も増えています。シンプルで自分たちらしい祝い方ができる点ではメリットもありますが、これもまた別の形の負担を生みます。
まず、費用面での出費が大きくなることに加え、「義両親に何も言われなかったけど、本当は不満だったのでは?」「勝手に進めたと思われたら気まずい」など、無言の圧を感じてしまうことがあります。
特に、親世代が「ひな人形は母方の実家が贈るもの」と考えている場合、こちらが全部揃えてしまうと、かえって気を悪くされる可能性も。関与されるのも面倒、かといって無関心も困るという、非常に繊細なバランスを求められるのです。
夫婦で折半?それともどちらかの実家負担?
現代夫婦の選択肢「折半」という考え方のリアル
近年では「夫婦で折半して用意する」というスタイルを取る家庭も増えています。これは、親世代の価値観にとらわれず、家族単位で祝い事を完結させたいという考え方のあらわれです。
折半にすれば、どちらかの実家に負担や遠慮が偏ることもなく、「私たちの子どもだから私たちで祝う」という対等な姿勢が示せます。特に共働き家庭では、こうした平等な分担が自然に受け入れられる傾向にあります。
しかしその反面、「どこまでを“ひな祭りの費用”とするか」「片方の親がプレゼントを申し出たらどうするか」など、予想外のズレが生まれやすいのも事実です。お金の問題は表面化しにくいため、事前に話し合いを重ねることが重要です。
母方実家が負担するという“しきたり”は今も健在?
地域によっては、「ひな人形は母方の祖父母が贈るもの」という慣習が今でも根強く残っています。これは“嫁いだ娘とその子どもへの贈り物”という意味合いがあり、親世代にとっては当然の常識であることも。
そのため、母方実家が率先して人形や祝い膳を用意してくれた場合、それを断ることは難しく、「ありがたい」と思いつつも「夫の両親の目が気になる」と感じるケースが少なくありません。
また、母方実家が出したことで、夫側の親から「うちは何もしてないように見える」とプレッシャーをかけられるようなことも起こり得ます。こうした板挟み状態に悩む人は少なくないのです。
義実家が全面的に負担する場合の注意点
義実家がすべての費用を負担してくれる場合、そのありがたさの裏にある“見えない条件”に注意が必要です。特に大きな買い物になるひな人形の場合、後々「この人形は〇〇家のもの」といった空気が出てくることもあります。
また、購入後も「毎年人形を飾るべき」「嫁いだあとは持ってこい」など、義両親の価値観が強く出てくる可能性があります。その価値観に納得できれば問題ありませんが、押しつけに感じた場合はストレスになります。
このような場合でも、最初に「お心遣いはありがたいですが、今後の飾り方などは私たちで決めさせてください」といった一言を添えておくことで、不要な摩擦を避けることができます。
嫁側の本音と、角が立たない伝え方
「ありがたいけど正直プレッシャー」な気持ち
義実家からの贈り物やお祝いは、表面上は「ありがたいこと」として受け取らざるを得ません。しかし、内心では「本当にこれでよかったのか」「好意にどう応えるべきか」といった葛藤を抱える人が多いのが実情です。
特に、ひな人形のように高額で場所を取るものの場合、「自宅に置くスペースがない」「デザインが好みに合わない」など、物理的・感情的な負担が重なりやすくなります。それでも断れないのは、嫁という立場ゆえの遠慮や上下関係が影響しています。
こうした状況が続くと、次第に「また何か送られてくるのでは」「来年も同じやり取りをするのか」といった先回りのストレスになり、ひな祭り自体を楽しめなくなってしまうこともあるのです。
角を立てずに断る、または調整するための言い回し
義実家の申し出をそのまま断るのは勇気が要ります。しかし、角を立てずに意思を伝えることは可能です。たとえば「とても嬉しいのですが、今回は私たちで選ばせてもらってもいいでしょうか」「お気持ちだけで十分です」といった言い方が効果的です。
また、プレゼントを辞退するのではなく、「別の形でお祝いしてもらえたらうれしいです」「一緒にお祝いの席を持てたらありがたいです」など、関わり方を変える提案も角が立ちにくくなります。
大切なのは、「拒絶ではなく調整」というニュアンスを伝えることです。義実家側も、完全に突っぱねられるよりは、関わり方を工夫する提案を受け入れてくれる可能性が高くなります。
夫の協力を得ることで伝え方がラクになる
嫁側が義実家と直接交渉するのは、精神的に大きな負担になります。そのため、夫に間に入ってもらうことが極めて重要です。「妻がこう言っていて…」という形で、やんわり伝えてもらうことで、義両親も受け入れやすくなります。
夫に協力してもらうには、「私が悪者になるのがつらい」「夫婦で考えたうえでの判断だと伝えてほしい」といった気持ちを素直に伝えることが大切です。家庭の方針を“夫婦の意志”として伝えることで、義実家も一方的に嫁側を責めることはできません。
また、夫自身が「うちの家族とはこういう風に付き合っていこう」と自覚を持って行動することで、今後の行事ごともスムーズに進めやすくなります。嫁一人で抱え込まず、夫婦で対処することがモヤモヤ回避のカギです。
夫側・義両親側の視点も理解しておこう
夫側にとって「ひな祭り」はピンと来ない行事?
実は多くの夫たちにとって、ひな祭りはあまり馴染みのない行事です。自分自身が男兄弟だった場合は、そもそも家で祝った経験がなく、「なんとなく飾るもの」くらいの認識しかないケースもあります。
そのため、「誰が買うべきか」「どこまで準備するのか」といった温度感にズレが生じやすく、「なんでそんなに悩んでるの?」と疑問を持たれることも。一方で、自分の親が関わってくると、ようやく「大きな問題だ」と気づくこともあります。
夫側の理解を深めるためには、ひな祭りが単なる“飾り”ではなく、「母娘の文化」であり、「贈り手と受け手の距離感を問われる行事」であることを、丁寧に伝えることが有効です。
義両親の「良かれと思って」がすれ違いを生む理由
義両親の立場からすると、「孫のためにしてあげたい」「うちの家からのお祝いを形にしたい」という純粋な気持ちでプレゼントを用意するケースがほとんどです。それが“ありがた迷惑”と受け取られてしまうと、両者の間に大きなすれ違いが生まれます。
また、「自分たちの親もそうしていたから」「昔は当たり前だった」という経験則から行動していることも多く、現代の夫婦像や価値観に追いついていないケースもあります。そこに温度差があることを理解しておくと、無用な苛立ちを避けやすくなります。
すれ違いを避けるためには、「ありがたさは感じている」「でも自分たちのペースで育てたい」という両方の気持ちを、言葉や行動で少しずつ伝えていくことが大切です。
義実家との関係性を長期視点で捉える重要性
ひな祭りは年に一度の行事ですが、義実家との付き合いは一生続きます。だからこそ、その場しのぎではなく、将来の関係性も見据えて行動することが肝心です。
たとえば、「今回はこちらで用意させてください」と丁寧に伝えたうえで、別の機会(誕生日や七五三など)には義両親の出番を用意する、といった柔軟な対応が効果的です。相手の好意を無下にせず、関与するタイミングをずらすことでバランスを取ることができます。
義両親も「何かしてあげたい」気持ちはあるものの、「どう関わればいいのかわからない」と感じている場合があります。こちらが主導権を握ることで、関係性を良好に保ちつつ、モヤモヤの回避にもつながります。
トラブルを避けるための現実的な落としどころ
最初に「ルール」を決めておくことで安心できる
ひな祭りに限らず、義実家との金銭的な関わりが発生する場合は、あらかじめ「うちはこういう方針です」と伝えておくことで、後のトラブルを大きく減らすことができます。
たとえば、「プレゼントや人形は基本的に私たち夫婦で準備します」「いただいた場合は保管や管理は私たちの判断で行います」など、ある程度の“線引き”を共有しておくと安心です。
最初は遠慮が必要かもしれませんが、毎年同じことでモヤモヤするよりも、最初にルールを決めたほうが自分たちの負担は圧倒的に軽くなります。感謝の気持ちを忘れず、冷静かつ丁寧に伝えることがカギになります。
ひな人形にこだわらない祝い方を選ぶ家庭も
最近では、「ひな人形は置かず、写真だけ撮る」「小さなコンパクト雛にして省スペース化する」「食事会だけで済ませる」といった、柔軟なスタイルを選ぶ家庭も増えています。
これは、「費用を抑えたい」「スペースがない」「形式に縛られたくない」といった理由から生まれた流れで、現代のライフスタイルに合った選択肢といえるでしょう。無理に伝統に従うのではなく、家族が心地よく過ごせる形を優先する考え方です。
義実家に対しても、「今年はこういう形で祝う予定です」と事前に伝えておけば、思い込みによるズレを防ぐことができます。相手に合わせるのではなく、自分たちの軸をもつことが、長期的には円満な関係を築く近道です。
「感謝の気持ち」を忘れなければ人間関係は壊れない
どんな形を選ぶにしても、最も大切なのは「相手の好意を否定しない」姿勢です。たとえ自分たちのやり方を優先したとしても、「お気持ちは本当にありがたく受け取りました」「いつも気にかけていただきありがとうございます」といった感謝の言葉を添えるだけで、相手の受け取り方はまったく変わります。
行事をきっかけに関係性が悪化するのは、お互いの気持ちを見失ったときです。だからこそ、「断る」「お願いする」「報告する」といった場面で、誠意ある一言を添えることが、最終的には自分たちを守ってくれるのです。
義実家との付き合いに悩む人ほど、「感謝は伝えて、主導権は持つ」を意識することで、トラブルを未然に防ぎながら、穏やかなひな祭りを迎えられるでしょう。
まとめ:義実家との「ひな祭り問題」は、ルールと気配りで乗り越えられる
ひな祭りは、本来子どもの成長を願う温かな行事です。けれども、その裏側では「誰が負担するのか」「どこまで義実家に関与してもらうか」といった繊細な問題が潜んでいます。特に、嫁という立場にいると、断りづらさや気疲れが大きくのしかかってくることもあるでしょう。
今回の記事では、義実家が用意してくれる場合、夫婦で折半する場合、自分たちで全て準備する場合など、さまざまなケースにおける悩みとその対処法を紹介しました。大切なのは、「お祝いの形」はひとつではないという視点と、「どんなスタイルでも感謝の気持ちを忘れない」姿勢です。
そしてもうひとつ忘れてはならないのが、「一人で抱え込まず、夫とともに向き合うこと」。義実家との調整も、ひな祭りの準備も、夫婦で話し合いながら進めることで、自分たちにとって最適な“祝い方”が見えてきます。
年に一度のひな祭りを、子どもの笑顔とともに、家族みんなが心地よく迎えられるように。あなた自身の価値観を大切にしながら、義実家との関係も少しずつ整えていきましょう。