関東の秋は、山々が色づき始めると同時にドライブが一層楽しくなる季節です。毎年、多くの人が紅葉を求めて有名スポットへ足を運びますが、混雑や渋滞に悩まされることも少なくありません。そこで今回は、定番よりもゆったりと楽しめる「穴場」を中心に、関東でおすすめの紅葉ドライブコースをご紹介します。
記事では、車ならではの自由な移動を活かしながら、景色・温泉・グルメも同時に満喫できるスポットを厳選。混雑回避のコツや見頃情報も盛り込み、休日の計画づくりに役立つ内容にまとめています。秋空の下、色とりどりの紅葉を車窓から眺めながら、心も体もリフレッシュする旅へ出かけましょう。
コンテンツ
1. 養老渓谷|遅めの紅葉と温泉を同時に楽しむ穴場ドライブ
晩秋まで見頃が続く紅葉の名所
千葉県房総半島の中央部に位置する養老渓谷は、関東でも比較的遅くまで紅葉が楽しめることで知られています。例年の見頃は11月下旬から12月上旬と、都心近郊では貴重な晩秋スポットです。渓谷沿いにはカエデやモミジが連なり、滝や清流とともに描かれる景観はまさに絵画のよう。日帰りでも訪れやすく、紅葉を見逃した方にもおすすめです。
車窓と徒歩で楽しむ景観スポット
ドライブコースとしては、渓谷沿いの県道81号線や市道を走れば、車窓からも紅葉を満喫できます。途中にある「粟又の滝」や「中瀬キャンプ場」付近は駐車スペースもあり、歩いて間近に紅葉を眺めることが可能です。さらに「滝めぐり遊歩道」を歩けば、小沢又の滝や金神の滝など、自然の変化に富んだ景色に出会えます。
温泉とグルメで締める秋の一日
養老渓谷周辺には、養老温泉郷と呼ばれる複数の温泉宿が点在しています。日帰り入浴が可能な施設も多く、渓谷を眺めながら露天風呂で温まれば、ドライブ疲れもすぐに癒やされます。また、地元野菜を使った田舎料理や川魚料理も魅力。紅葉と温泉、そして食を同時に味わえる贅沢な一日を過ごせます。
2. 奥多摩湖と秋川渓谷|都心から90分で行ける静かな紅葉ロード
湖面に映る紅葉のパノラマ
東京都西部に位置する奥多摩湖は、都心から車で約90分という近さながら、豊かな自然に囲まれた紅葉スポットです。例年の見頃は11月上旬から中旬で、湖畔を走る奥多摩周遊道路からは、紅葉に染まった山々が湖面に映り込む幻想的な景色が楽しめます。朝の光に照らされた紅葉は特に鮮やかで、写真撮影にも最適です。
秋川渓谷でのんびり散策
奥多摩からさらに南下すると、秋川渓谷が広がります。エメラルドグリーンの川と紅葉のコントラストが美しく、特に石舟橋からの眺めは圧巻です。遊歩道や河原沿いを歩けば、川のせせらぎと落ち葉の絨毯に癒やされます。紅葉の見頃は11月中旬から12月上旬と長く、奥多摩湖とあわせて訪れると見頃を逃しにくいのも魅力です。
日帰り温泉と地元グルメ
秋川渓谷周辺には、日帰り温泉施設「瀬音の湯」をはじめ、ゆったりできるスポットが点在します。温泉に浸かりながら紅葉を眺めれば、都会の喧騒を忘れること間違いなし。また、川魚の塩焼きや手打ちそばなど、地元の味覚を楽しめる飲食店も多く、紅葉ドライブの締めくくりにぴったりです。
3. 奥四万湖|四万ブルーと紅葉の共演
コバルトブルーの湖水と紅葉のコントラスト
群馬県中之条町にある奥四万湖は、四万川ダムによってできた人造湖で、「四万ブルー」と呼ばれる透明感あふれる水色が特徴です。秋になると湖を囲む山々が赤や黄色に染まり、湖面に映る姿は息を呑む美しさ。車で湖畔を一周できるので、さまざまな角度から紅葉と湖を眺められます。
ビュースポットと写真映えポイント
湖畔には「栂の広場」や「赤沢安らぎ広場」などの展望スポットがあり、ドライブの途中で立ち寄るのに最適です。特に午前中は光が湖面に反射してブルーが際立ち、紅葉の赤や黄とのコントラストが一層鮮明になります。三脚を立ててじっくり撮影する写真愛好家も多い場所です。
温泉街と紅葉散策の組み合わせ
奥四万湖から車で数分の場所には、四万温泉街が広がっています。温泉街散策を楽しみながら紅葉を眺めたり、足湯や日帰り入浴で旅の疲れを癒やすのもおすすめです。湖と温泉、そして紅葉を一度に楽しめる贅沢なコースは、カップルや夫婦のドライブ旅行にもぴったりです。
4. 日塩もみじライン|紅葉トンネルを駆け抜ける絶景ドライブ
紅葉のグラデーションが続く全長28キロの山岳道路
栃木県の鬼怒川温泉と塩原温泉を結ぶ日塩もみじラインは、その名の通り秋になると沿道がモミジやカエデで鮮やかに染まるドライブコースです。標高差が大きいため、10月下旬から11月中旬まで長く紅葉を楽しめるのが魅力。車窓から見える紅葉のトンネルは、まるで絵の中を走っているかのような感覚を味わえます。
絶景展望台と立ち寄りスポット
途中にある「富士見台展望台」からは、天気が良ければ遠く富士山まで望むことができます。また、太閤下ろしの滝や白滝など、車を停めて散策できる自然スポットも点在。ドライブの途中で立ち寄れば、迫力ある滝と紅葉のコントラストを堪能できます。
温泉と観光の組み合わせ
もみじラインの両端には鬼怒川温泉と塩原温泉があり、どちらも日帰り入浴施設が充実しています。紅葉ドライブの後に温泉で体を温めれば、旅の満足度が一気に高まります。温泉街では地元の食材を使った料理も楽しめ、ドライブ+温泉+グルメの三拍子揃った秋の小旅行が叶います。
5. 長瀞岩畳とライン下り|渓谷美と紅葉を間近に体感
天然記念物の岩畳と紅葉の絶景
埼玉県秩父郡にある長瀞は、荒川沿いに広がる「岩畳」が国の天然記念物に指定されている景勝地です。秋には周囲の山々が色づき、川面に映る紅葉が一層美しさを増します。岩畳の上を歩けば、足元から川の流れと紅葉の風景を同時に楽しむことができます。
スリルと風情を味わえるライン下り
長瀞といえばライン下りも外せません。紅葉に染まった渓谷を船で下る体験は、車からの景色とはまた違った迫力があります。水面近くから眺める岩壁と紅葉は、まさに非日常の光景。11月上旬から中旬にかけてが特に見頃です。
商店街とご当地グルメ散策
長瀞駅周辺には、かき氷やそば、地元産のガレットなどを味わえる飲食店が並びます。ドライブ途中に立ち寄って食べ歩きを楽しめば、紅葉観光に彩りが加わります。駐車場も駅周辺に複数あるため、車旅でもアクセスしやすいのが魅力です。
6. 高尾山|都心近くで楽しむ手軽な紅葉ハイキングドライブ
アクセス抜群の人気紅葉スポット
東京都八王子市にある高尾山は、都心から車で約1時間とアクセスが良く、紅葉シーズンには多くの人で賑わいます。山麓の駐車場からケーブルカーやリフトを利用すれば、手軽に山上の紅葉を楽しむことが可能。例年の見頃は11月中旬から下旬で、赤や黄色に染まった山全体が見渡せます。
山頂からの絶景と紅葉トレイル
山頂からは関東平野を一望でき、晴れた日には富士山の姿も見ることができます。複数ある登山コースは距離や難易度が異なり、体力に合わせて選べるのが魅力。薬王院周辺の参道はモミジが美しく色づき、歴史的建造物とのコントラストが写真映えします。
周辺グルメと温泉で締めくくり
高尾山口駅周辺には名物のとろろそばを提供する店や土産物店が並びます。また、駅前には日帰り温泉施設「京王高尾山温泉 極楽湯」があり、紅葉ハイキング後に立ち寄れば、心地よい疲労感とともに一日を終えられます。
7. 河口湖|富士山と紅葉の競演ドライブ
湖畔から望む逆さ富士と紅葉
山梨県の河口湖は、富士五湖の中でも紅葉と富士山のコラボレーションが楽しめる人気スポットです。特に湖畔にある「紅葉回廊」は、11月上旬から中旬にかけてモミジが色づき、ライトアップも行われます。早朝には湖面に映る逆さ富士が見られることもあり、写真愛好家にとっては絶好のロケーションです。
ドライブと観光の組み合わせ
湖畔道路を一周するドライブでは、場所によって異なる角度から富士山と紅葉を楽しめます。途中の大石公園や長崎公園は駐車場完備で立ち寄りやすく、散策や撮影に最適です。また、遊覧船やカチカチ山ロープウェイを利用すれば、湖上や高台からの紅葉も堪能できます。
周辺施設と宿泊の魅力
河口湖周辺には温泉旅館やおしゃれなカフェ、美術館が点在しています。日帰りも可能ですが、宿泊して夕景や早朝の富士山をじっくり眺めるのもおすすめ。紅葉とともに富士山の表情が変わる様子を一日中楽しめます。
8. 箱根・芦ノ湖|紅葉と富士山を一望する贅沢ドライブ
芦ノ湖スカイラインからの絶景紅葉
神奈川県の箱根は、都心からのアクセスも良く、秋には芦ノ湖周辺の紅葉が美しい人気エリアです。特に芦ノ湖スカイラインは、紅葉に染まる山々と湖、そして天気が良ければ富士山まで一望できる絶景ドライブコース。見頃は10月下旬から11月中旬で、湖畔の赤や黄色が鮮やかに映えます。
観光と組み合わせる紅葉散策
芦ノ湖周辺には、箱根神社や九頭龍神社といった歴史あるスポットがあり、紅葉とともに参拝を楽しめます。遊覧船に乗れば、湖上から紅葉と富士山を同時に眺められる贅沢な時間を過ごせます。仙石原高原のススキとのセット観光もおすすめです。
温泉と美術館でゆったり過ごす
箱根湯本や強羅エリアには多くの温泉宿が点在し、日帰り入浴も可能。紅葉観光の合間に彫刻の森美術館やポーラ美術館を訪れれば、自然とアートを同時に満喫できます。観光・温泉・紅葉の三拍子が揃う箱根は、カップルや家族連れにぴったりのドライブ先です。
9. 鋸山|海と紅葉の両方を楽しめる房総ドライブ
地獄のぞきからのスリルと絶景
千葉県房総半島の鋸山は、断崖絶壁に突き出した展望台「地獄のぞき」で有名な観光地です。秋になると山肌が紅葉に包まれ、東京湾や三浦半島まで望む絶景が広がります。ロープウェーや登山道を利用してアクセスでき、海と紅葉を同時に楽しめる貴重なスポットです。
紅葉と歴史を感じる参拝ルート
山頂周辺には、日本最大級の石造大仏や百尺観音があり、紅葉に彩られた境内は荘厳な雰囲気。岩壁に刻まれた彫刻と紅葉のコントラストは、他にはない独特の美しさを持ちます。散策路は整備されており、軽いハイキング気分で巡れます。
海鮮グルメとセットで楽しむ
鋸山の麓や金谷港周辺には、新鮮な海の幸を味わえる食事処が豊富です。特に地元で水揚げされた魚介を使った刺身や海鮮丼は絶品。ドライブで紅葉を楽しんだ後、海鮮ランチを堪能すれば、房総ならではの秋の味覚旅が完成します。
10. 那須高原|広大な自然と紅葉を満喫する高原ドライブ
四季折々の表情を見せる高原リゾート
栃木県北部に位置する那須高原は、紅葉の見頃が10月中旬から下旬とやや早め。那須連山を背景に広がる高原の紅葉は、開放感たっぷりの絶景です。標高差があるため、場所によって紅葉時期がずれ、長期間にわたって楽しめるのも特徴。広大な景色の中をドライブすれば、心が洗われるような爽快感に包まれます。
絶景スポットと観光施設の組み合わせ
茶臼岳周辺や姥ヶ平は、紅葉の名所として特に人気です。那須ロープウェイを利用すれば、山頂から色づく山並みを一望可能。また、南ヶ丘牧場や那須どうぶつ王国など観光施設も多く、家族連れでも一日中楽しめます。途中の展望台や高原道路沿いで、車を停めての紅葉撮影もおすすめです。
温泉と地元グルメで癒やす旅
那須高原には複数の温泉地があり、日帰り入浴ができる施設も豊富。ドライブ後に温泉でゆったりと過ごせば、疲れも和らぎます。また、地元食材を使ったレストランやカフェが点在し、野菜たっぷりの料理やチーズケーキなどのスイーツも楽しめます。紅葉観光とグルメ、温泉が揃う高原旅は、秋の休日にぴったりです。
まとめ
関東には、日光や箱根といった有名紅葉地だけでなく、養老渓谷や奥四万湖、日塩もみじラインのような穴場も多く存在します。車でのドライブなら、複数のスポットを効率的に巡ることができ、紅葉の見頃を逃さず楽しめるのが大きな魅力です。さらに、温泉やグルメを組み合わせれば、秋の一日がより充実したものになります。
今年の秋は、混雑を避けつつ、関東の紅葉ドライブ穴場を巡ってみませんか。色づく山々と清らかな水辺、そして季節の味覚が、きっと忘れられない旅の思い出になるはずです。